技術共有 -整備- ビルジ処理

海の荒波や雨風にさらされたヨットには、水が多くたまってしまいます。水を処理しないと、湿気で船体が腐ったり、船内が浸水する可能性があります。ここではビルジ処理を紹介します。
ビルジは一般的に「船底の湾曲部」を指しますが、我々ヨット乗りは「船底に溜まる水」という意味で用います。このビルジは非常に厄介で、様々な要因で船内に流入します。例えば、ヨットはエンジンが内側にあり、エンジンからの動力をスクリュー(プロペラ)に伝えるシャフト部分には微妙な隙間が存在するため、必然的に海水が流入してしまいます。また、技大艇の場合、スルーマストといってマストがデッキを貫通した構造になっているため、経年劣化に伴ってマスト周辺のシール部分やハッチ(開閉できる窓)のコーキング部分から雨水が流入することもあります。船体構造にも依りますが、完全に止水することは至難の業と言えます。そのため、ヨットは床下に空間を設け、ビルジを一定量溜められる構造になっているのです。とはいえ、ビルジが溜まると、船内が湿気で腐食したり、ヨットの浮力が失われるリスクがあるため、定期的にビルジ処理を行う必要があります。

ビルジ処理
備え付けの排水ポンプを活用することで効果的にビルジを処理できます。ホースの先をビルジに浸し、レバーを引くことで内部の配管を通じて船外に水を排出します。取り切れないビルジは、小さめの手動ポンプでバケツに汲み取り、処理します。



参考
[1] ヨットの船内は常にドライが基本です、MALU SAILING、2020/9/25、https://malu-sailing.com/archives/5230(参照2025/3/30)